グラスワンダー

日本競馬界を代表する競走馬

日本競馬界の主役である競走馬には時として異名が与えられます。 そこで「不死鳥」の異名を与えられた馬こそが、グラスワンダーです。 グラスワンダーはデビュー当初からJRA最強二歳馬として称えられる強さを見せつけますが、そこに一度、骨折という不幸が襲いかかります。

もともとサラブレッドは体の構造上骨折が起こるリスクが大きく、そして骨折を起こせば最悪の場合、安楽死させるしかない生き物でもあります。 しかしこの馬に起きた骨折は幸いにも比較的軽いものだったためになんとか回復し、秋の毎日王冠で再びターフに舞い戻ります。

骨折した足をかばて歩くために骨膜炎を患っていたにも関わらず出走した毎日王冠では道中一番人気のサイレンススズカに並ぶも五着に破れ、先の骨折から全く勝利の無い1年間を過ごすことになります。 しかし「早熟な馬だったのだからこの程度だ」と冷ややかな視線を向けた競馬ファンに一矢を報いたのがセイウンスカイ、エアグルーヴ、メジロブライトを押さえて勝利した日本競馬の祭典、有馬記念でした。

その後もいくつも勝利を収めて行きますが、再び骨折を患ったことで2000年の宝塚記念を最後に現役生活を終えました。 もともと足元が弱かったこともあって不調な中で走ることの多かったグラスワンダーですが、しかしそれでも最強世代と名高い名馬たちに並び打ち勝ってきたその姿はまさに「不死鳥」の異名にふさわしいものだったと言えるでしょう。

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